前回、FXで財を成す為に重要なのは《損益比率》だよっ、ていう記事を書いた。
損益比率を伸ばすためには、そもそも損益比率を高めることができるエントリーポイントを選ばなければならない。
仮に損益比率を高めるエントリーができたとしても、安直な《チキン利食い》をしていたら、トレーダーとして大成することはできない。
俺の売買手法、《GAINT KILLING》では損益比率を高めることを最重要視しているので、景気付けにちょこっとだけ勝つための軽いエントリーはしない。
小魚ではなく、大物を狙っている。
その具体的な内容は有料のコンサル生にしか話せないが、ここでは《チキン利食い》をしないために、俺がいつも意識している《ポジション保有の三原則》について書いてみようと思う。
ポジション保有中は含み益を金額で見ない
ある程度、重めのロット数で打てるようになると、ほどほどの含み益でも最低限の生活費が稼げるようになってくる。
例えば、5.0Lotsでプラス100pipsの含み益を出すと、通貨ペアによって若干の差があるにせよ、金額に換算すればだいたい50万円前後の含み益にはなるはず。
ポチっと決済ボタンをクリックすれば、50万円のキャッシュが手に入る状況だ。
俺の場合、200Lotsで撃っているので、プラス100pipsの含み益を出すと、だいたい20万豪ドル(2,000万円)以上の含み益になる。人によっては喉から手が出るほど欲しい金額と感じるだろうが、それでも俺は金額では決済しない。
ていうか、ポジション保有中にMT4のターミナルをクリックすることがないので、実際の含み益を金額で見ることがない。
それは何故か?
そもそも俺の決済ルールは厳格なテクニカル分析にファンダメンタルズ分析を組み込んだものであって、含み益の金額で決済するルールではない。含み益を金額で見てしまうと《お金》が生々しく感じられ、正しい判断ができなくなってしまう可能性が高い。
もし目の前に20万豪ドル(2,000万円)の札束が積まれていたら、さすがに俺だって手を伸ばしてしまうだろう。
そうじゃない、俺が目指しているのは、常にブレることなく《正しい判断を下すこと》であって、マネーとしての《お金》ではなく、単なる数字として《お金》を見ている。
言い方を変えよう。俺にとってのカネとは、俺のプライドの値段だ。どこぞの悪魔でも神様でもいいが、奴らに俺の人生を売るならいくらの値段をつけるのか・・・。
これが俺の目指す《カネ》だ。仮に1億円だとしても、安すぎるだろ。
カネに振り回される人生ではなく、俺の為に従順なお金に働いてもらい、新たなお金を生み出すことが大命題だ。
正々堂々と男として生き、男として潔い死に様を迎えたい。
そのためには、常にブレることなく《正しい判断を下すこと》が必要不可欠であって、含み益の《お金》が欲しいことが理由で安易な決済はしない。
乞食じゃあるまいし、これは男として本当に恥ずべき行為だ。男なら少しくらい《武士は食わねど高楊枝》を演じるべきだ。
ただし、冷静なテクニカル分析とファンダメンタルズ分析の両面で早めの決済が必要だと判断すれば、たとえプラス100pipsとかプラス80pipsの含み益でも決済する。
これは利幅がどうのこうのではなく、俺が《正しい判断を下すこと》が大切なのであって、仮に含み益の全てを吹っ飛ばし建値決済に終わっても、その結果に対して四の五を言わない。
俺の肌感ではあるが、プラス200pips以上の含み益を飛ばした場合は自分の判断ミスを疑わなければならないが、勝負を挑んだ上でプラス80~100pips程度の含み益を飛ばすことくらい、正直よくあることだ。
これを利食いミスとか失敗というのは人それぞれの判断であって、俺が信じた《正しい判断》を下したのであれば、その結果を受け入れるだけだ。失敗でも何でもない。
ポジション保有中に含み益を飛ばした状況までイメージしておく
俺は物事に期待しない。
だいたい、人生が自分の思い通りになると思ってない。俺が特別に恵まれた家庭環境に生まれたのであれば話は別だが、カネも学歴もない親の、下流家庭に生まれた俺だ。親から金儲けの話を聞いたこともない。
勉強して、良い大学に入って、いい会社に就職すれば、安定した人生を送れると言われただけだ。
クッソみたいに夢のない人生。全く興味が無かった。
高校生の時に読んだ本で、落合信彦の《狼たちへの伝言》とか永ちゃん(矢沢永吉)の《成りあがり》に感化され、一発ドカンと何か大きなものを掴むことしか考えられなくなった。
誰かの為に歯車となって生きる人生より、ショボくても自分の会社のボスになる人生を目指した。
何も持たない若造が何者かになる過程において、大きな障壁があるのは当然のこと。映画でもそうだろ?恵まれた生まれの者が、何も不自由のない華やかな人生を辿るストーリーなんて、何が面白い?
高校の卒業式に、自分の生い立ちにケリを付けたくて、卒業証書と卒業アルバムを破り捨てた。
そして横浜の大学(夜間主コース)に行って、どんなに辛いこと、苦しいこと、貧しさ、寂しさでも、その全てを受け入れて、絶対に《成りあがる》と決めた。
自分の人生は虹色じゃない。泥水を啜ってでも生きる覚悟がなければ、俺なんかすぐに潰される。だから物事に期待しないし、人に対して負い目を作らない。
あの感覚が、今でも俺の身体の血肉になっている。
俺は自分のポジションに対して安易に期待しない。もちろん思惑方向に吹っ飛んでくれることを願ってはいるが、思惑と反対方向に動いて含み益を全飛ばしする状況もイメージしておく。
含み益を飛ばすのは残念ではあるが、決して大損にはならない。俺の売買ルール上、基本は建値決済だからだ。厳密には取引手数料と建値決済が若干すべった分の微小な損失が出るだけで、エントリー前の状況とさほど変わらない。
次に良いチャンスが来た時に、またトライすればいいだけ。含み益を飛ばしたイメージができているので、実際にそうなっても悩む必要がない。
タネを飛ばしたわけでもないからな。
もし含み益が自分の思惑通りに動き、自分の目指したゴール(指値)に届いたら、それは《運が良かった》《今回はツイてた》と思うようにしている。
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勝ちは偶然、負けは必然
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ってこと。
負けも失敗も、それが俺の実力。
そもそもFXやってて失敗がない訳がないだろ、なぁッ。
ポジション保有中は大きな時間軸を見る
チャートの性質上、小さな時間軸になるほど値動きが大げさになり、大きな時間軸になるほど値動きが見えるもの。
もしポジション保有中に小さな時間軸を見ていたら、含み益の増減に対して過敏になってしまい、チキン利食いする可能性がある。
通常、人は《得ることより、失うことの回避を優先》する。
しかし、トレーダーとして大成するには《失うことの回避より、得ることを優先》しなければならない。
為替相場というのは、時として本当に大きく動く性質がある。小さな時間軸を基準に決済してしまったら、せっかくの大利を薄利決済しかねない。
だからテクニカル分析で利食いを決める際は、
月足>週足>日足
の順番でおまかな指値を決めておく。もちろん状況に変化があれば柔軟に指値を移動する。
エントリーにしても利食いにしても、まずは《森全体を見渡して、一本の木を見る》ことが重要。
とにかく物事を大きく俯瞰する。これが利食いの基本だ。
チャートだけでなく各国重要指標の数値から、少しだけ未来の金融政策の変化を予測し、テクニカルとファンダメンタルズを駆使して相場を分析する。
例えば、EURUSDの買いポジションを保有しているとする。これをEUR(ECB)とUSD(FRB)に分割して考えてみる。
直近の米国インフレ率は下がってきたが、労働市場に陰りが見えてきた(求人件数の低下、失業率の上昇)。米国FRBは物価の安定に加え、雇用の最大化も使命としているので、早急な利下げが必要となることが予測できる。
相場で利益を上げる基本原則は、
〇金利が上がりそうな通貨が買われ、
〇金利が下がりそうな通貨が売られる。
であって、
✖金利が高い通貨が買われる
✖金利が安い通貨が売られる
ではない。
近いうちにFRBが金利を下げてくる可能性が高いのであれば、米ドルは売り目線でなければならない。
USDが売られるのであれば、相対的にEURの価値が上がる。
つまり、EURUSDという通貨ペアは近いうちに買われる可能性が高いということ。
EURUSDの買いポジションを保有しているのであれば、《次の米国FOMC政策金利発表まで勝負保有してみるか!》と考えてみる。
しかし次の米国FOMC政策金利発表より1週間早く、ECB政策金利が予定されている。ユーロ圏の賃金上昇率の伸びが急減速し、インフレの伸びが鈍化したので、ECBの利下げも確実視されている。
やはり《次のECB政策金利発表前には決済しなきゃな!》と判断した。
その結果は《神のみぞ知る》だ。
自分で結果をコントロールすることはできない。
自分でコントロールできることだけに全集中すればいい。
いつものようにポジションが潰れた状況までイメージしておき、どんな結果が出てもグズグズ言わない。謙虚に自分のトレード結果を受け入れるだけだ。
まとめ
損益比率を上げたければ、感情的なチキン利食いだけは絶対に避けなければならない。
俺が思うに、トレードで最も難しいのが《利食い》だ。
それでも、Reasonableな《利食い》をしなければならない。
いいか、FXで大成するためには、
勝てば良いわけではない、
勝ち方が重要だ。
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【脱・チキン利食い】ポジション保有の三原則
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1)ポジション保有中は含み益を金額で見ない
2)ポジション保有中に含み益を飛ばした状況までイメージしておく
3)ポジション保有中は大きな時間軸を見る
もしアンタの利食いが弱いと感じるなら、これをやってみな。
あ、一個書き忘れたことがある。
今日の話の内容は、あくまで期待値が高い売買ルールと、大局を見極める相場観があるってことが前提だ。おそらく1000人に一人しか理解できないだろう。
どんなに陳腐なものでもいい。売買ルールを構築し、どんな時でも何があっても最後まで売買ルールを徹底することができる者に向けて書いている。
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